株式会社TALENTと株式会社BOXは、「一人ひとりの才能と可能性を信じ、フェアに向き合う」という共通の価値観のもと、人材紹介事業におけるアライアンスを締結しました。両社は、求職者の人生に寄り添い、長期的な視点でキャリア支援を行ってまいります。
今回は、アライアンス締結の背景について、両社の代表にお話を伺いました。
出会いのきっかけ
── まず、お二人の出会いについてお聞かせください。
長山:BOXがブランディング観点で、世の中とコミュニケーションを取っていくかに悩んでいた時期がありまして、BOXの人事顧問の方に繋いでいただいたのが、たかちんさんとの最初の出会いでした。
佐野(たかちん):話していくうちに、長山さん自身の強みや魅力をどう活かしていくかという話に自然と変わっていったんですよね。
長山:そうなんです。BOXのブランディングの相談をしていたはずが、いつの間にか「長山自身がどんなスタンスを発信していくか」「長山の強みをどう活かすか」という話になっていました。
佐野:そこからBOXさんと話を重ねていく中で、すごく印象的だったのは、最初に長山さんから「僕のビジョンや思いを一度ちゃんと聞いてもらえませんか」と提案をいただいて、長山さんの人生について深く聞かせていただいたことでした。僕は、根本的な価値観がズレている方とは仕事ができないタイプなんです。何でもいいからお仕事になればいいや、というスタンスではないので。その中で長山さんにはすごく近しいものを感じることが多かった。それが今回のアライアンスの原点だったかなと思っています。
長山:人材紹介はビジネスモデルでは差別化しづらい事業です。だからこそ、そこにどんな思いを乗せているかが重要だと思っていました。たかちんさんにお時間をいただいた背景もまさにそこで、代表の思想がサービスに現れると考えているので、それをきちんとお伝えしたかったんです。
BOXが大切にする「フェアであること」
── 長山さんは、ご自身の思想をどのように言語化されていますか?
長山:「自分の周りで起きたことには全て自分に責任がある」という考え方を持っています。もう少し日常的な言葉にすると、「見たからには、聞いたからには、知ったからには、自分がそれに対応する責任がある」ということです。たとえば誰かが「こういうことで悩んでいる」と話してくれたとします。それを「そうなんだ」で終わらせるのではなく、その人がわざわざ自分に悩みを打ち明けるのには理由があると思うんですよ。それはきっと何かを求めている合図で、聞いた以上は自分にも何かできることを考えてやる責任がある。そういうものが積み重なって、BOXの採用ページにもある「いいと思うもの、全部やる」──やった方がいいことは全部やろう、というメッセージに繋がっていきました。
── その考え方は、いつ頃から?
長山:小さい頃からです。根本にあるのは、実はネガティブなエネルギーなんです。私は小さい頃はあまり良い記憶が無くて、簡単に言うと家に帰りたくない子供でした。でも子供の頃、家に帰れないと居場所がなくなりますよね。そうすると「居場所がない=自分には存在価値がない」という考えになっていって。だからこそ、所属するコミュニティや参加している会議の中で価値を発揮できていないと、自分はいなくていいんじゃないかと感じてしまう。そんな思考だったので、自分と関わってくれる人に対して、自分がどう存在価値を発揮できるかを常に考えていました。かなり他人軸で生きてきた人間なんです。そこが原点ですね。
── BOXが大事にしている思想とは?
長山:フェアであることです。相手の立場に立ったとしても同じ意思決定ができるかどうか、というのが軸になっています。もう少し分かりやすく言うと、「家族に対して提供するサービスだとしたら、どういう意思決定をするか」──それが私たちの判断の根源にあります。
佐野:すごく分かりやすいですね。家族って利害がないからこそフラットで、本当にその人のためになる意見を伝えますよね。僕も全く同じ価値観を持っていて、誘導するのではなく選択肢を与えるということをすごく心がけています。未来に行くならこの3つの選択肢があって、それぞれを選ぶとどういう状態になるか、そう聞くことが多いんです。家族であっても友達であっても仕事であっても一緒で、無理にコントロールすると後で反発が生まれるという経験則もありますし、何よりどちらも気持ちよくなくなるので。
「クロージング」という言葉がないサービス
長山:佐野さんがおっしゃる通り、私も何かを誘導したことはないんです。極端に言えば、転職支援において自分の意見を自分から伝えることはありません。情報や事実はお伝えしますが、「自分はこう思います」とは言わない。常にフラットでいるんです。そうすると、「長山は営業ではなく、本当に親身になって寄り添ってくれる人間だ」と感じてもらえるようになって、最後の最後に「長山さんはどう思いますか?」と聞いていただける。そんな関わりを意識しているので、私たちのサービスには「クロージング」という言葉が存在しません。
佐野:クロージングがない──それはすごいですね。
長山:ただ、もちろんこれにはレベル感があって、ある程度先の未来を予測して情報を提供できているからこそ、どんな選択肢を取っても良い方向に向かうことができるのです。でも、その先回りが十分にできていないと、求職者の方が情報不足のまま最適でない選択をしようとする場面もある。そこにはどうしてもパワーが必要になるので、ある意味クロージングのようになってしまうこともあります。だからこれはまだ途上ですね。
── フェアであること以外に、人材紹介事業で気をつけていることはありますか?
長山:時間軸の捉え方ですね。「一生付き合うとしたら」という考えをもとにサービスを提供しています。この1回の転職支援だけで終わりなら、無理にねじ込んだり都合のいいことを言ったりしてもバレないかもしれない。でも時間軸を長く取ると、いつか必ずバレて信頼を失い、一生付き合えなくなってしまう。そこは強く意識しているポイントです。
一生付き合うパートナーとして
── BOXが目指す未来とは?
長山:人生単位で付き合える存在になることです。海外では、人生を通して付き合うべきパートナーとして「医者・弁護士・キャリアエージェント」が挙げられるほど、キャリアエージェントの存在が重視されています。人生単位で自分のキャリアを一緒に考えてくれる壁打ち相手──私たちはそういう存在でありたいと思っています。今の人材業界では、転職支援をした方と連絡を取ってはいけないとか、1回支援したら終わりというのが一般的ですが、私たちはそうはなりたくない。それは同時に私たちの覚悟でもあって、人生単位で付き合うということは、相手の成長に自分たちが負けてはいけないということ。相手がレベルアップしていく以上、私たちもレベルアップし続けなければならない。その自己成長のプレッシャーも含めて、BOXの思想にある「挑戦者として生きる」ということだと思っています。
佐野:そこまでのビジョンを持ったエージェントは初めてでした。やっぱり長期的な付き合いが人生を変えてきますからね。短期的なメリットってあんまりメリットにならないことが多い。特にキャリア設計なんてすごく長いスパンですよね。
長山:そう思うようになったきっかけは、人材紹介という仕事が「親友が増える仕事」だと気づいたことなんです。仕事を変えるのは人生を変えることと同じだと思っていて、その転機に携わるのが私たちです。キャリア形成に本気な方と向き合うわけですから、非常に真剣なやり取りになる。時には家族や友達にも話したことがないような価値観まで共有してもらえることもあります。そうやって秘密を共有し合う中で関係性が密になっていく。それはもはや親友と呼べるものだと私は思っていて、親友というのは人生を通して付き合うものですよね。そこから自然と「人生単位で寄り添いたい」という考え方になっていきました。
行ったことがない企業はお勧めできない
長山:多くの人材紹介会社は今、パソコンだけで仕事が完結するので、求職者にも直接会わないし、企業のオフィスにも足を運ばないんです。でも私たちは、行ったことがない企業をお勧めすることはできないと考えています。だからできるだけ企業に足を運ぶようにしていますし、求職者にも会ったことがないのに「あなたにはここが合うと思う」とはなかなか言えないので、できるだけ直接お会いするようにしています。
佐野:今のエージェント業界では、求職者に会わずに進めるケースがあるんですか?
長山:全てオンライン完結というのは珍しくありません。場合によっては電話だけで済ませることもあります。
佐野:それは驚きですね。確かに、企業に訪問したことがないまま、ウェブサイトやデータベースの情報だけを見て仲介するケースも結構ありますよね。
長山:先ほどの話に戻りますが、家族に同じサービスを提供するとしたら、行ったことも話したこともない企業を勧めたりはしないですよね。それと同じことです。もちろん、まだ全ての企業に全員が訪問できているわけではなく、徐々に回っている段階ですが、大事なのは、よく知らない企業については正直に「詳しくは知りません。ただ、こういう情報は持っています」とお伝えすること。そこは誠実にやるようにしています。
才能が発動する場所を設計する
── TALENTが大事にしていることとは?
佐野:TALENTが大事にしている観点は、その人のポテンシャルが一番輝く場所の設計なんです。僕たちは独自の言葉で「発動条件」と呼んでいるんですが、自分の才能が発動する条件というものが誰にでも存在していると考えています。どういう状況だとパフォーマンスが発揮されるのか──それを丁寧に言語化して、まず自己理解があり、社会の理解があり、会社の理解がある。この3つの理解の解像度が上がっていくとベストな選択肢が取れるようになる。できる限り、一人ひとりが一番パフォーマンスを発揮できる場所に行ってほしいという思いが強いんです。
── BOXさんも、その人の可能性を活かすという点には共感されますか?
長山:とても共感しています。私たちが基本にしているのは「あなたの人生なんだから、あなたが決めてください」というスタンスです。「こっちの方がいいんじゃないですか」という決めつけた提案はしませんが、「こういう可能性もありますよ」とその方の可能性を最大限信じることは常にしています。たかちんさんがおっしゃったように、「この道に進んだらこんな未来があるかもしれない」という問いかけを通じていろいろ考えてもらい、最後は「自分の人生なんだから、自分で決めてください」とお伝えする。その意思決定に最大限納得していただけるよう、情報面でのサポートは惜しまないようにしています。だからこそ、企業にも足を運ぶし、求職者にも直接会いに行くんです。
長山:それと、多くのエージェントは「行けますよ、頑張りましょう」と言っておいて「行けませんでした」となるケースがありがちで、それが一番信頼を失うやり方だと思っています。その方にとってベストなルートが他にあるなら、そちらをご案内するべきです。たとえばたかちんさんが「転職したい」となった場合でも、「それなら自分の人脈で動いた方がいいですよ」と正直にお伝えしますね。
佐野:本当ですか(笑)。確かに、自分の周りの信頼関係で行った方がうまくいきそうな気はしますね。
固定観念を外し、「枠」を超えていく
佐野:僕たちがもうひとつ大事にしていることは、固定観念にとらわれないこと。「このキャリアしか経験がないからこれしかできないんじゃないか」と考えてしまう方は多いんですが、すごくもったいないなと思っていて。その才能があれば全く別の業種に行っても面白いんじゃないかと思うこともありますし、営業は向いていないけどエンジニアは向いている、というケースだってある。才能を活かすために全然違う観点で違う仕事に挑戦してみる、そこからもう一度キャリアを作り直してもいいじゃないですか。最初は給料が安いかもしれないけれど、固定観念を一度全部外して考えてみるということを大事にしたいと思っています。
長山:最後に付け加えると、私たちの社名「BOX」は一般的には、箱という意味が浮かびますが、「枠組み」として捉えることもできると思っていて。箱というのは境界線があるものですが、それを自分自身に当てはめると「自分の殻」という意味にもなりますよね。私たちには「Off the BOX」という言葉があって、その枠組みから飛び出していく人たちを応援したいと考えています。佐野さんがおっしゃっていた固定概念をとっ払うとか、自分の殻を破るということ。「もっと可能性があるんだ」と自分の未来を信じている人を、ぜひ応援していきたいですね。
アライアンスに込めた共通の想い
佐野:僕たちもBOXさんも、人と会社の間に入る立場として、その人の人生を左右する責任があると思っています。それが僕たちの利益のために動かされている人がいるという状態は絶対に作りたくない。結果として利益が生まれたよね、という状態が一番ベストだと思うんです。そこが共通認識としてあったからこそ、今回のアライアンスに至ったと思っています。
長山:間違いないですね。本当にそう思います。
佐野:エージェントの会社は知り合いだけでも10社以上あるんですが、BOXさんだけ全然価値観が違って面白いなと思っていたので、すごく嬉しいです。「家族に紹介できますか?」という問い──あれがすごく分かりやすくて本質的な価値観だなと感じました。
長山:時間の捉え方の違いなのかもしれませんね。全てはそこに尽きると思います。
転職・キャリア相談に興味がある方へ
── 本日はありがとうございました。
転職やキャリアについてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。BOXが、あなたの可能性を一緒に考えます。
